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MID表示欠けの修理

BMW 320i(y93/E36/RHD)


E36(に限らないようですが)のMID(マルチインフォメーションディスプレイ/オンボードコンピュータ)の表示欠けは走行に支障がなくても非常に気になるものです。特にこのように常時表示する時計の方にそれが起きると格好悪いばかりではなく、特に私は車の時計をよく見るので地味に不便だったりします。(でも文字の方、チェックコントロール表示部でのドット欠け・ドット抜けのヘルプを比較的多く目にしますよね)

なお、この表示モジュールはグレードによって働きが違うのですが、この部分のみの名称としてはMIDが適当と思われますのでこのページでは統一したいと思います。(その他に、OBC/オンボードコンピューターとかチェックコントロールモジュールなどと呼ばれていたりします。)

結局この現象が発生してから1年位は放っておいたでしょうか(^_^;
やっと、重い腰があがりましたので、レポートしたいと思います。

MIDの文字欠け1

表示しにくい部分はだいたい決まっているのですが調子のいい時があったりなかったり、MIDの枠を押したりすると戻ったり戻らなかったり・・・ そんな状態です。

写真を撮った時はまだ良いほうで、AM/PMとかも出ない時がほとんどですし「:」も普段は見えません。

ある日の時計こんな感じ・・・ もっと悪いかな??

まず参考にしたのが以下のページです。日本のBMW乗りはココを全てチェックすべきです。そうしないとFAQだと文句を言われます(笑)

http://www.bohp.net/html2/menta29.htm

簡単そうなので、いつか自分もなったらやって見ようと思っていましたが・・・ 本当になるとは。しかも、聞いた事のない時計側(笑)

参考ページと内容がだいぶかぶりますが、手順を追ってみたいと思います。

まず、MID本体を車から外します。このように下に空いている穴から指を入れて・・・

MID外し方

ロックを外しつつ前に押し出します。

15-04.png (1368 バイト)

図が簡単過ぎますが、穴から指を入れるとAのツメを簡単に押してロック解除出来ます。ただ、そのまま押し出すと斜めになってしまい、Cのツメが非常に邪魔をします。指を奥まで入れてB部を押し出すようにするとスムーズに外れるようです。

コネクタを外す

MIDが取り外せたら裏側にコネクタが一つ繋がっているので、矢印のレバーを動かしてコネクタのロックを外しつつ引き抜きます。

ロックの爪を外す

MIDのカバーは上下に4つの爪で固定されているので、それぞれ写真のようにロックを外しつつ後ろ側のカバーを外します。

MIDの分解

中身を後ろへというか、壊さないように表示部を押し込むと中身が外れてきます。フラットケーブルで繋がっていて、矢印の部分が非常に引っかかりますので注意して取り外します。

15-08.jpg (22776 バイト)

取り出せたら、今度は表示部分を覆っている黒いカバーを外します。非常に薄いプラスティックで出来ていますので、壊さないように注意して写真のように爪を全て逃がしてから外します。

15-09.jpg (21829 バイト)

ココからは特に慎重に作業してください。フィルムケーブルが液晶パネルのガラス面から剥がれてしまうと完全にアウトです。

液晶パネルを静かにめくってみます。まず表示欠けの原因の一つがココです。

緑色に塗った部分がウレタンっぽい弾力性のある素材で出来ていて、この弾力でフィルムケーブルをガラスに押しつける事により接着を補強しています。この部分が経年変化により痩せてしまって弾力が弱くなりフィルムケーブルが接触不良を起こします。

はさみ込む

今回はこの部分に梱包用の薄いウレタンシートを細く切り挟みました。(黄色く色を付けた部分です)

ココまでは上記の参考サイトとやっていることは同じです。

ただ、私の320はこれでは直りませんでした。

色々と試した結果、どうもこの写真の白いプラスティックの部分が経年変化により歪んでしまい、下のプリント板(基板)の間にすき間を作ってしまっているようです。

MID分解略図

ちょっとわかりにくいですが、こんな感じです。
緑色が基板、黄色がフィルムケーブル、白がプラスティックの部品です。

赤いすき間のせいでやはり基板にフィルムケーブルを押しつける力が弱くなり接触不良を起こすようです。

基板とのすき間1

そこで、そのすき間に何か挟む事にしました。
矢印の部分です。

本当はこのプラスティックの部品を外してパテ盛りとかするとカンペキだと思います。数ヶ所の半田を抜く必要があります。また、分解にはT8のトルクスドライバが必要です。

基板とのすき間2

今回は面倒なので、上の矢印のようなフィルム状のスペーサーを作製してはさみ込みました。下の矢印の部分にスルスルスルッと入れて行きます。

押しつける

念の為に組立時に矢印のように紙を数回折ったスペーサー(??)を作製してはさみ込みました。下から基板を押すような働きを期待します。

期待通り、これで解消しました。

15-15.jpg (16248 バイト)

こんな感じです。

表示テストの仕方はこうです。

「1000」と「10」を同時に押します

表示が「Funktion:00」となります

「ENT/RES」を押します

これで、表示テストとなります。

2003.09.06
2003.09.29